研究課題/領域番号 |
26560272
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
芳賀 信彦 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (80251263)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | リハビリテーション / 視覚認知 / アイトラッキング |
研究実績の概要 |
平成26年度に確立させた描画および静止画のアイトラッキングによる四肢認識の研究方法を用い、平成27年度は研究①(描画を用いた四肢研究認識)については29名(健常小児8名、患者21名)、研究②(非接触型アイトラッカーを用いた静止画像の四肢認識研究)については25名(健常小児7名、患者18名)の計測を行った。更なる被験者の募集のため、研究代表者の所属施設以外でも計測を行うために、当研究に係る倫理申請を当該施設でも行い、2つの施設で倫理申請が承認され計測を開始している。被験者の募集は順調に行うことができており、計測は順調に進んでいる。 現在のところ、患者としては二分脊椎患者の研究参加が多く(疾患頻度を踏まえ妥当である)、二分脊椎の患者の描画(研究①)や、静止画に対する視線(研究②)の特徴は、予備的な解析で傾向が明らかになりつつある。二分脊椎患者では、障害部位である下肢の認識・認知が弱い傾向が出ており、平成28年度以降も計測とデータ解析を継続することで、有意な結果かどうかを検討していく予定である。二分脊椎に次いで研究参加が得られているのは下肢形成不全の患者で、被験者数がまだ少ないことを考慮する必要があるものの、障害部位である下肢の認識・認知の弱さは見られていない。平成28年度以降も計測とデータ解析を継続し、結果を検討していく予定である。 研究の成果の公表については、平成27年度には行っていないが、平成28年度中の学会発表、論文投稿を目標と設定し、準備中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成27年度の研究実施計画と、現在までの進捗状況は以下の通りで、おおむね達成できている。「平成26年度に開始した研究①(描画を用いた四肢研究認識)、研究②(非接触型アイトラッカーを用いた静止画像の四肢認識研究)を継続する。」⇒ 平成27年度は研究①については新たに29名(健常小児8名、患者21名)、研究②については新たに25名(健常小児7名、患者18名)の計測を行い、平成26年度よりの合計は研究①31名(健常小児9名、患者22名)、研究②27名(健常小児8名、患者19名)となった。被験者の募集は順調に行うことができており、計測は順調に進んでいる。 平成27年度以降の研究実施計画として、「被験者数を増やして継続する。」、「研究の成果をまとめて、学会、論文等で公表する。」については、平成28年度も計測を継続するほか、結果の解析を行い研究の成果をまとめ、学会、論文等で公表する予定である。「研究③(非接触型アイトラッカーを用いた動画の四肢認識研究)の計測」については、リアルタイムの動画の計測システム構築が困難であることが判明したため、別に撮影した本人の動画をモニター上に映し出して計測する手法を検討している。 以上より、おおむね当初の実施計画通りに進捗しており、「(2)おおむね順調に進展している。」とした。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度以降の研究実施計画は、「被験者数を増やして継続する。」、「研究の成果をまとめて、学会、論文等で公表する。」であり、これらを平成28年度も継続していく。 被験者数については、研究代表者の所属施設での外来患者に対して研究参加者募集の周知を積極的・継続的に行っていくほか、更なる募集のため研究代表者の所属施設以外からの募集を開始している。被験者の募集には今年度も特に問題はないと見込んでいるが,万が一不足が予想される場合は更に他の施設での募集を検討する。 研究の成果の公表については、意味のあるデータの解析には更なる被験者の募集が必要なことから、平成28年度中の学会発表、論文投稿を目標と設定し、研究参加者の募集および計測とデータの解析を推進していく予定である。 「研究③(非接触型アイトラッカーを用いた動画の四肢認識研究)の計測」については、リアルタイムの動画の計測システム構築が困難であり、別に撮影した本人の動画をモニター上に映し出して計測する手法を検討している。この手法による試験的な計測の分析では、現在のところ静止画と同じような結果が出ており、動画の計測を進めていくのではなく、描画と静止画の計測の被験者数を増やすことに注力するよう計画を変更することを検討している。
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