本研究では足関節不動化により発生する筋痛の病態解明を行い,これが線維筋痛症モデルとして妥当かどうかを検証した.具体的には,ラット足関節をギプスで4週間固定し,筋痛の発生状況,脊髄後角とDRGにおける中枢性感作,骨格筋内のNGF,末梢神経線維の分布状況を検索した,結果,ラット腓腹筋において機械的刺激に対する痛覚閾値,NGF発現増加,神経C線維の神経密度増加を認めた.また,脊髄後角ではCGRPの増加,DRGでは感覚神経細胞のphenotype switchが認められ,慢性的な中枢神経感作の徴候が認められた.これらの事象は線維筋痛症の末梢病態と発生メカニズムに関与するのではないかと考える.
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