本研究の目的は呼吸介助と脳活動の関係を明らかにすることである。対象は健常成人とし、3つの呼吸条件(通常呼吸、呼吸介助、呼吸介助+深呼吸)にて脳波を測定した。脳波測定は、安静と暗算課題を3回繰り返し行い、後頭部のα波パワー平均周波数および暗算課題の正答率を比較検討した。また、研究実施前後に脳疲労感をVisual Analogue Scaleにて測定した。結果、各呼吸条件においてα波パワー平均周波数に変化はなかった。暗算課題の正答率は通常呼吸において、1回目より2回目の計算の方が有意に減少した。さらに、脳疲労感は通常呼吸と呼吸介助に深呼吸を併用した際に、実施後に脳疲労感が高かった。
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