ボツリヌス毒素の痙縮抑制による中枢神経組織の変化を探索した。ボツリヌス毒素投与により中枢神経障害による痙性は明らかに軽減した。また、ボツリヌス毒素療法にリハビリテーション治療を組み合わせることによりボツリヌス毒素療法単独、リハビリテーション治療単独よりも下肢機能、上肢機能ともに臨床的改善を認めた。一方、MRI画像は発症後と比較してもボツリヌス毒素療法単独およびリハビリテーション治療の併用でも変化はなかった。 以上、リハビリテーション治療を併用したボツリヌス毒素療法による中枢神経系の可塑性を示す画像上の知見を得ることはできなかったが、機能面から中枢神経系の可塑性を改善する可能性が示された。
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