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2016 年度 実施状況報告書

脳性麻痺児の実用的独歩獲得に影響を与える機能障害因子の同定

研究課題

研究課題/領域番号 26560292
研究機関大阪保健医療大学

研究代表者

藪中 良彦  大阪保健医療大学, 大阪保健医療大学 保健医療学部, 教授 (60536803)

研究分担者 近藤 和泉  国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, その他部局等, その他 (50215448)
中 徹  群馬パース大学, 保健科学部, 教授 (50278975)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2018-03-31
キーワード脳性麻痺 / 実用的独歩獲得 / 粗大運動能力分類システム(GMFCS) / 機能障害 / 機能的動作
研究実績の概要

本研究の目的は,10歩以上の独歩が可能であるが日常生活場面で実用的独歩が困難な脳性麻痺児と実用的独歩が可能な脳性麻痺児の機能障害レベルおよび動作レベルの因子を比較し,実用的独歩に影響する因子を明らかにすることである.
文献研究を通して,脳性麻痺児の独歩に影響していると考える心身機能/身体構造レベルの因子の候補として,関節可動域(股関節伸展,膝窩角,足関節背屈),筋力(股関節伸展筋/外転筋,膝関節伸展筋/屈曲筋,足関節底屈筋),痙縮(ハムストリングス,下腿三頭筋),触圧覚(足底),位置覚(股関節,膝関節),運動覚(足関節,母趾),下肢の選択的運動コントロール(股関節,膝関節,足関節,距骨下関節,足趾),全身持久力が明らかになった.また,脳性麻痺児の独歩に影響していると考える動作レベルの因子として片脚立位と後方歩きが明らかになった.
パイロット研究として,10歩以上独歩が可能な6名の痙直型両麻痺脳性麻痺児において上記の因子を測定した結果,実用的歩行レベルを以下の3つに区分することが適切であることが明らかになった.①室内の50%以上を四つ這いで移動する.②室内及び屋外平地移動時に50%以上独歩を行うが,壁などに手をつく必要がある時がある.③室内及び屋外平地移動時に,壁などに手をつくことなく独歩で移動できる.
最終的に実用的独歩と動作レベルおよび心身機能/身体構造レベルの因子のパス図を作成するために,現在パイロット研究で収集したデータをまとめ,実用歩行レベルの違いにより強く関係している心身機能/身体構造レベルの因子を5個以内に絞り込んでいる.同時に,多施設共同の横断的研究に協力して頂ける施設をリクルート中である.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

脳性麻痺児の独歩獲得に影響していると考えられる心身機能/身体構造レベルの因子および動作レベルの因子が,文献研究を通して明らかになった.また,パイロット研究を通して,実用歩行レベルを3つのレベルに設定することが適切であることが判明した.
最終的に実用的独歩と動作レベルおよび心身機能/身体構造レベルの因子のパス図を作成するために,現在パイロット研究で収集したデータをまとめ,実用歩行レベルの違いにより強く関係している心身機能/身体構造レベルの因子を5個以内に絞り込んでいる.同時に,多施設共同の横断的研究に協力して頂ける施設をリクルート中である.

今後の研究の推進方策

2017年7月までに多施設共同の横断的研究の実施に協力していただける施設のリクルートを終了し,大阪保健医療大学研究倫理委員会に多施設共同の横断的研究計画書の研究倫理申請を行う.2017年9月から12月に研究協力施設にて,パイロット研究によって絞り込んだ脳性麻痺児の実用的独歩獲得に影響を与えると考えられる5つの心身機能/身体構造レベルの因子と2つの動作レベルの因子を70名の被験者において測定し,データ収集を行う.そして,2018年1月から3月に集まったデータを元に,論文執筆を行い,2018年度に雑誌に投稿を行う予定である.

次年度使用額が生じた理由

パイロット研究終了後,収集したデータを基に実用歩行レベルの違いにより強く関係している心身機能/身体構造レベルの因子を5個以内に絞り込む方法の検討に時間がかかり,多施設共同の横断的研究の研究計画書作成に遅れが生じた.また,多施設共同の横断的研究に協力して頂ける施設のリクルートに難渋している.そのため,計画していた多施設共同の横断的研究が開始できず,次年度使用額が生じた.

次年度使用額の使用計画

2017年8月に大阪保健医療大学研究倫理委員会に多施設共同の横断的研究の研究計画書を倫理申請する.倫理委員会の承認を得た後に,2017年9月から12月に多施設でデータ収集を行う際のデータ収集経費に学術研究助成基金助成金を使用する予定である.

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公開日: 2018-01-16  

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