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2014 年度 実施状況報告書

安定した円柱物体把持を可能とする母指の非対称構造の解明

研究課題

研究課題/領域番号 26560301
研究機関宇都宮大学

研究代表者

嶋脇 聡  宇都宮大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10344904)

研究分担者 酒井 直隆  宇都宮大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90235119)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2016-03-31
キーワード母指爪ひずみ / 物体把持 / 把持力
研究実績の概要

「研究の目的」円柱物体を安定して把持する際に必要となる母指(pulp、爪)の非対称性を解明する。pulpとは柔軟性に富んだ組織であり、脂肪や血液などから構成される。これを電動義手などの母指構造へ応用すれば、より安定した把持が可能となる。H26年度の目標は、大きさの異なる物体を把持した際の母指爪ひずみの計測ことである。
「研究実績」被験者として,右手の母指指節間関節より遠位部位および爪に外傷や疾病が確認されない日本人男性30人(全員右利き、20~26歳)を選出した.2軸交叉ひずみゲージを被験者の母指爪表面上の3箇所に貼付した.把持物体(材質:アクリル樹脂)の形状は,円柱,球,平板の3種類であった.円柱直径は50, 60, 80, 100, 120mmとした.球直径は60, 100, 150, 200mmとした.平板厚さは1, 10, 50, 100mmとした.母指IP関節遠位の指腹部と把持物体との間に圧力センサシート(厚さ0.46mm)を挿入することによって,母指による押し付け力を計測した.押し付け力は,円柱把持の場合,10, 15, 20Nと,球および平板把持の場合,10Nとした.被験者には物体を把持した後に,規定の押し付け力を30秒間保持してもらい,その間の爪ひずみと押し付け力を計測した.サンプリング周波数は1000Hzであった.全ての物体把持において、橈尺方向に母指爪ひずみの非対称性が発生した。さらに、把持物体のサイズが小さい場合、例えば円柱直径が小さい場合、指軸および横断軸方向の両方のひずみに非対称性が発生したが、把持物体のサイズが大きくなると、どちらかの方向に有意差が見られなくなった。母指押し付け力が増加すると、尺側のひずみは増加するが、橈側のひずみは変化しなかった。本研究において、物体把持における母指爪ひずみを計測した結果,橈尺方向の非対称性が観察された。これは、母指指腹部尺側面が主要な接触面であることに起因すると考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究目的に挙げていた「直径の異なる円柱物体を把持した際の母指爪ひずみの計測」を予定通りに実施できた。さらに、把持物体形状を円柱だけではなく、球体と平板でも実施し、さらに母指押し付け力の影響も調査した。また、実施被験者数を20名と予定していたが、30名実施できた。

今後の研究の推進方策

H27年度には、申請書に記載した「CTおよびMR画像から構築した母指有限要素モデルによる変形の数値解析」を行う。自治医科大学で被験者1名の母指CTおよびMRI画像を取得し、母指モデルをPC上に構築して、有限要素解析により、母指指腹部および母指爪の変形を行う。また、H26年度では、静的な物体把持であったが、実際には物体を把持した後に、その物体を操作することになる。そこで、「物体操作時にの母指爪ひずみの計測」も行う。

次年度使用額が生じた理由

学会投稿(日本機械学会)を行ったが、H26年度には審査結果が得られず、H27年度へと継続審査された。

次年度使用額の使用計画

投稿中の論文が採択されたら、その投稿料として使用する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2015

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 物体把持における母指爪変形ひずみの計測2015

    • 著者名/発表者名
      嶋脇聡、紺野恭正、中林正隆、酒井直隆
    • 学会等名
      第27回バイオエンジニアリング講演会
    • 発表場所
      新潟市
    • 年月日
      2015-01-09

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公開日: 2016-05-27  

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