研究課題/領域番号 |
26560303
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研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
南部 功夫 長岡技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (40553235)
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研究分担者 |
和田 安弘 長岡技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70293248)
大須 理英子 株式会社国際電気通信基礎技術研究所, その他部局等, 研究員 (60374112)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | BCI / 脳波 / 運動 / 指 |
研究実績の概要 |
本研究では脳波から指運動情報をを予測することで、直感的かつ操作が容易な脳波バーチャルキーボードの構築を目指した基礎検討を行った。 H26年度はまず、指運動を実際に実行する課題を行い、そのときの脳波を計測する予備実験を行った。予備実験では、右手の薬指を除く4本の指を使い、モニタで指示された指を使ってキーボードを押す課題とした。実験デザインにおいて、各試行の運動を区別するために、試行間隔と、使う指の教示から実行までの時間を比較的長めに取ったが、それにより指に関連のない眼球からの信号(アーチファクト)が混入した可能性が高まり、指の判別が難しくなった。次年度は、この眼球アーチファクトの除去と、アーチファクトが混入しない条件を検討する。 また、将来的に脳波キーボードが構築できたときに課題となるエラーの検知を行うことを目的とし、ボタン押しのエラーを生じさせる課題時(Go-NoGo課題)の脳波データを用いて解析を行った。このデータにおいては、周波数解析およびサポートベクターマシン(SVM)を用いた判別の検討を行った。この解析により、運動前の脳活動によってその後のエラーを判別できる可能性を示唆することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
H26年度は、所属機関の改修工事によって脳波を用いる実験室が使用できず、指運動時の脳波を計測する実験について十分な検討を行うことができなかった。そのため、エラーを生じさせる課題時の実験データを使い、脳波キーボードのエラーを検知可能かについて検討を重点的に行い、将来的に必要とされる検討を行っていた。
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今後の研究の推進方策 |
H27年度とH28年度に、指運動に関連した脳波実験計画を再検討の上、実験を効率的に進め、それらのデータを詳細に検討する予定である。特に、運動想起データに関しては、訓練前には十分に判別できない可能性があるので、実運動時のデータで詳細な検討を進め、それらの実験方法、データ解析方法、フィードバック方法が確立された後、想起の実験データへの適用を検討している。これにより、本来の目的である脳波キーボードの可能性を検討するという目的は事業期間内に達成できると考えられる。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は所属機関の改修工事により実験室が使えず、実験計画に遅れが生じた。そのため、物品の購入に使用するべき額や、研究成果を発表するための額が変更となった。
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次年度使用額の使用計画 |
今年度未使用の予算は次年度以降に行う実験や成果発表に使用する。当初予定よりも実験実施計画を大幅に増やす予定であるため、実験環境の構築や被験者謝金等に使用する。また、それらの成果を発表するため、 学会費用、論文掲載費用、英語添削費用として使用する予定である。特に国際学会での発表もしくはよる関連研究の調査も増やし、効率的な研究の推進を図る。
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