研究課題/領域番号 |
26560318
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研究機関 | 豊田工業高等専門学校 |
研究代表者 |
木村 勉 豊田工業高等専門学校, 情報工学科, 准教授 (80225044)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | ホームサイン / 未就学 / 聾者 / 手話 / モーションキャプチャ / 離島 |
研究実績の概要 |
平成26年度は佐渡でモーションキャプチャの収集を行うための現地調査と試験的に手話のモーションキャプチャ収集を行った. まず,佐渡に在中している手話サークル,手話通訳者を通じて現地の聾者の実態調査を行った.未就学の聾者は,数名いることが確認できている.しかし,何名かは他人との接触が少ないため,所在地などを含む詳細な情報が少ない.現地の協力者に実態調査を依頼してる. モーションキャプチャ収集に関しては,手話技能検定協会の協力を得て,手話動作の収集を行った.スタジオでの収集は容易であるが,研究対象者が高齢のため,基本的には被験者の自宅で行う必要がある.また,モーションキャプチャ収集のためにマーカーを付けたり,カメラを向けたりすると,萎縮して普段のホームサインが出てこない恐れがある.そこで,可能な限り,普段の生活の中での動作を収集することを検討している.例えば,モーションキャプチャでの収集は断念して,隠しカメラで収集することも検討している.この場合,プライバシーの問題もあるため,可能であればあらかじめ被験者本人に了承を得たいが,これでは撮影していることがわかってしまう.そのため,撮影前は家族のみあらかじめ了承を得て,収集後,本人にも了承を得るという方法も考えている. また,現在はMicrosoft社のKinectを用いて,マーカーレスかつ,被験者にも収集していることを意識させないようなモーションキャプチャシステムの構築を行っている.これができれば,自宅で普段の動作を収集することが可能となる.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初は,すでに佐渡でのホームサインの収集を始めている予定であったが,現地調査を行って,収集方法の再検討を行う必要性が出てきたため,若干遅れが生じている. しかしながら収集方法の目処が付いたので,今後は順調に進むと考えている.
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今後の研究の推進方策 |
まずは,モーションキャプチャではなく,ビデオ映像でホームサインを収集することが吃緊の課題である.というのも対象としている被験者が高齢であるため,すぐにでも収集を始めないといけないことがわかっている. その後,マーカーレスのモーションキャプチャシステムが構築できれば,再度収集を行う.
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次年度使用額が生じた理由 |
計画当初に購入する予定であったモーションキャプチャシステムは高額なため,科研費だけではまかなえないことがわかった. そこで,モーションキャプチャシステムを購入するのではなく,動作データーの収集を外部に委託する方法に変更した. また,これと並行して安価なモーションキャプチャシステムを検討したところ,KinectなとのNUIを利用したシステムがあることがわかった.これを27年度に購入し,モーションキャプチャの収集を行う.
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次年度使用額の使用計画 |
先の理由でも述べた通り,安価なモーションキャプチャシステム(Kinectと高性能ノートPCおよび,ソフトウェア)を用意して,モーションキャプチャの収集を進める.
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