トレッドミル歩行時の膝関節周りの皮膚移動距離は約3mm/10mmであり、平均移動速度は約10mm/sであった。この値を用いて皮膚伸張刺激による姿勢応答について検討した。膝関節周りへの刺激では大腿直筋の筋腱移行部付近で姿勢応答が顕著に生じ、前・後傾の応答の割合が6:4であった。筋腱移行部で圧力を変えて刺激したところ、25gを境に、それ以下では前傾応答が、それ以上では後傾応答が多く生じた。足・膝・股関節の前・後面の皮膚伸張刺激を組み合わせた場合、いずれの関節においても、明確な姿勢応答が生じた。特に、膝関節と足関節への伸張刺激で、より明確に前傾応答が生じることが明らかになった。
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