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2016 年度 実績報告書

スポーツ用次世代数値流体解析システムの構築と展開研究

研究課題

研究課題/領域番号 26560341
研究機関筑波大学

研究代表者

浅井 武  筑波大学, 体育系, 教授 (00167868)

研究分担者 小池 関也  筑波大学, 体育系, 准教授 (50272670)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードCFD / ボール / スポーツ / 流体 / 抗力
研究実績の概要

平成28年度は,平成27年度の研究を基盤に,格子ボルツマン法を用いた数値流体解析を用いて,滑降ダウンヒルレーサーのクラウチング姿勢における風洞実験とCFDの関係を解析した.本研究におけるCFDの結果は,ほぼ妥当な数値解析が行われていたと判断された.これらの流れ場の解析により,流速40 m/sにおけるダウンヒルレーサーモデルの大きなドラッグの,主な発生部位は、頭部,上腕部,下腿部,大腿部(含む臀部)であると考えられた.これにより,次世代スポーツ用数値流体解析システムの妥当性が,ある程度,検証されたと考えられた.
さらに,この数値流体解析システムを,サッカーボールの空力解析に適用した.無回転あるいは低回転で飛翔するボールは,ボールの出だしと後半で軌道が変わる場合が多い.通常のインステップドライブによる軌道(バックスピンによるやや伸びる軌跡)とは異なり,急激に落ちたり,不規則にふらついたりする.本CFD解析により,この不規則なボール軌道を生み出す大きな原因として,ボール後流の支配的渦構造であり,揚力を発現する渦対(a counter rotating vortex pair)の不安定性が考えられた.また,インステップドライブやカーブキックでは,ボール回転の影響で,ボール後流の渦対が安定しており,渦対に伴って発生する揚力の方向も安定していることが推定された.したがって,それに伴い,ボールの軌道も安定し,インステップドライブならやや伸びる軌跡,カーブキックなら綺麗に横方向に曲がる軌跡になると思われた.一方,無回転系ボールでは,ボール後流の渦対が崩壊して逆方向に再構成(Jump)されたり,渦対がボール進行方向軸回りに回転したりして,揚力が急激かつ不規則に変化し,ボール軌跡を落としたり,揺らすことになると推察された.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Flow visualisation of downhill skiers using the lattice Boltzmann method2017

    • 著者名/発表者名
      Asai, T, Hong, S. & Ijuin, K.
    • 雑誌名

      Eur. J. Phys.

      巻: 38 ページ: 全11p

    • DOI

      10.1088/1361-6404/38/2/024002

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Flow visualization of downhill ski racers using computational fluid dynamics2016

    • 著者名/発表者名
      Asai, T., Hong, S., Ijuin,
    • 雑誌名

      Procedia Engineering,147

      巻: 147 ページ: 44-49

    • DOI

      10.1016/j.proeng.2016.06.187

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Investigation of Kinematics of Knuckling Shot in Soccer2016

    • 著者名/発表者名
      Asai, T. & Hong, S.
    • 雑誌名

      Proc. of SPIE Vol. 10328

      巻: 103281S1-6 ページ: 1-6

    • DOI

      10.1117/12.2269157

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Aerodynamics of modern soccer balls2016

    • 著者名/発表者名
      Asai, T.
    • 学会等名
      the 28th International Sport Science Congress
    • 発表場所
      Hanyang (Korea)
    • 年月日
      2016-08-25 – 2016-08-25
    • 国際学会 / 招待講演

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公開日: 2018-01-16  

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