研究課題/領域番号 |
26560342
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
藤井 範久 筑波大学, 体育系, 教授 (10261786)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | トレイルランニング / 凹凸地 / 軟弱地 / 3次元動作分析 / 登り坂 / DLT法 / 高速度ビデオ |
研究実績の概要 |
平成27年度は,主催者との調整の関係で平成26年度に実施できなかったトレイルランニングレースにおける走動作の撮影実験を,「第7回朝霧高原トレイルランニングレース」において実施した.このレースおける不整地は,平成26年度に実施した撮影実験とは異なり砂利地および砂地が主であり,より多様な不整地での走動作データを取得することができた.また平成26年度に分析を終えた走動作のデータについては,第66回日本体育学会大会(国士舘大学)において発表した.その際,不整地では,整地での走動作と身体重心高が異なることから,陸上競技を専門とする研究者と長距離走者のトレーニングとして不整地走に対する有効性について意見交換することができた.なお,平成27年度は,実験室内に仮設の不整地を作成して実験を行う予定であったが,2回目のトレイルランニングレースの撮影および分析,仮設不整地走路の作成に時間を要し,実際の撮影実験には至らなかった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究実績の概要にも記したが,初年度に実施予定であった2回目のトレイルランニングレースでの走動作の撮影実験を27年度に実施した.その後,2回目の撮影実験での走動作に対して,手動での分析作業(ディジタイズ作業)に時間を要したため,2年目の進捗状況の遅れに繋がっている.また,2回のトレイルランニングレースでの走動作の分析結果に基づき,実験条件(路面条件)を統制できるように,スプリング等を使用した仮設不整地を作成しているが,仮設不整地での走動作の撮影実験を実施するまでは研究を進めることができなかった.そこで(3)やや遅れていると評価した.
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度においては,実験室内に設置した仮設不整地での走動作の撮影実験を行う.その際に,「仮設走路の高さを不連続に変化させる」「スプリング数や配置を変更する」「軟弱地を模して体操競技用マット設置する」など,実験条件(路面条件)を統制しつつも様々な不整地条件を設定する.実験室内の仮設不整地での実験では,3次元自動動作分析装置を用いることができるため,ディジタイズ作業などの手動での分析作業を大幅に省略でき,これまでの進捗状況の遅れを挽回する予定である.また,仮設不整地での実験結果を考察していく中で,さらに異なる路面でのトレイルランニングレースでの走動作の撮影実験が必要になる可能性があり,慎重にスケジュール管理をしながら,トレイルランニングレース主催者と撮影実験の実施について調整を行う. そして,トレイルランニングレースから得られた不整地での走動作の特徴,実験室内の仮設走路での走動作の特徴をあわせて考察することで,不整地に対するヒトの適応特性をバイオメカニクス的に明らかにしていく予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
実験室内での仮設不整地での実験を実施できなかったことから,実験補助者への謝金の支出がなかったため.
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次年度使用額の使用計画 |
平成28年度は,実験室内に設置した仮想不整地での実験の実施,および再度トレイルランニングレースでの走動作撮影を行うための実験補助者への謝金として使用する予定である.
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