トレイルランニングレース上位入賞者の走動作を分析し,実験室内での走動作と比較することで,不整地における走動作の特徴を明らかにすることを目的とした.その結果,舗装路(整地)に比べトレイル(不整地)では,支持時間の割合が大きくなる,離地距離が長くなる(身体後方まで足部を地面に接地し続ける),路面の「柔らかさ」に応じて接地時の膝関節角度を調整している,ことなどが明らかとなった.膝関節角度の調整は,長距離走における力学的エネルギー利用の有効性の観点からも支持できるものである.路面に凹凸があり,路面の一部が高い時には,膝関節を屈曲させた姿勢で接地することで,バランスを維持しようとしていた可能性がある.
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