次の2点において既開発の自律神経機能指標解析システムを強化し,最大エントロピー法での周波数解析プログラムを組み合わせ,射撃系競技選手の能力開発を目指したバイタルコントロール支援システムを構築した。 [1] 心室収縮イベントを起点として,逆向きに必要な長さだけ自律神経機能指標計算のための時系列データを再構成するよう時系列生成アルゴリズムを採用。 競技者にとって一番心理的に違和感のない計算結果の表示タイミングは心室収縮のイベントである。これまで一般には心拍変動時系列から一定時間間隔ごとに抽出した時系列が周波数解析の対象とされていた。しかしながら,この方法から求められる結果は,可能な限りリアルタイム表示したとしても,競技者の時間感覚とずれがあった。従って,心室収縮のイベント信号時点から遡って計算対象時系列を生成する方式に改良した。 [2] 心拍測定デバイスの装着部位を鼻梁へと変更するため,極小試験測定デバイスを導入。 心拍変動の測定には,一般には胸部に貼付した心電電極もしくは指尖または耳朶で主に反射光を測定する光電素子が用いられる。胸部への電極貼付に対する違和感,また特に女子選手の場合,装着に要する手間が嫌われるなど,心電電極・光電素子それぞれに競技者を対象とした測定デバイスとしての問題点があった。光電素子を用いる場合の至適部位として皮膚と皮下脂肪がほとんどのヒトで薄い鼻梁があげられる。この鼻梁にサージカルテープ等で固定できる極小の光電素子を導入し,試験機を構築した。
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