本研究の目的は、遊泳中の選手の身体形状を正確に再構築するシステムを開発することにより、泳動作中の呼吸様式の違いによる身体形状変化が姿勢維持メカニズムや遊泳効率に及ぼす影響を分析することであった。延長期間を含めた3年間で、遊泳中の選手から計測した骨格運動に同選手の身体形状メッシュモデルをフィッティングさせることにより、刻一刻と変化する遊泳中の身体形状を高い時間分解能で再構築することに成功した。しかしながら、呼吸様式の違いに起因する腹部形状の差異を十分な精度で定量化することができなかったため、呼吸様式によって最も大きく変化すると推測された「浮力が脚を沈める効果」を正確に算出することはできなかった。
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