研究実績の概要 |
研究1:MRI画像自動判別法の開発のため,被験者1名の頭蓋部,腹部,上肢,下肢部の横断画像をT1強調画像法,T2強調画像法,T2Map,拡散強調画像法,2-point Dixon法等の撮像法を駆使して詳細に取得した。従来のCHESS法や脂肪選択IR法と比較して大幅に脂肪抑制の精度が向上した2-point Dixon法を利用すると水・脂肪分離が正確,かつ,高空間分解能で取得できることが確認された。拡散強調画像法では,ADC値(水分の拡散係数)を求め,輝度値やT2値との関係を確認し,脂肪組織と筋組織の明確な違いが確認された。T2Map法では,被験者62名に対して大腿部の横断画像を取得し,大腿四頭筋内のT2値をボクセル数256×128で二次元平面上に画像化した。T1強調画像やT2強調画像では画像内の輝度値にムラが見られることもあるが,Proton-MR-Spectroscopy(1H-MRS)で別に取得した大腿四頭筋内の筋内脂肪量の値とT2値の間にゆるやかな相関があることが確認でき,このことから筋内に存在する脂肪組織がMR画像の輝度値に多少なりとも影響を与える可能性が示唆された。さらに頭蓋部において,T1横断画像の取得にあたり,ボクセル数(512×512,384×384,256×256)やスライス幅(1cm,5mm,2mm,1mm)を変えて撮像し,得られた画像間の画質の違いを確認した。スライス間距離(ギャップ)を変えた画像をデジタル画像処理することによりギャップ中間部の画像が再構築できるかを検討し,一定以上の精度が得られることが確認された。 研究2:大学学部生・大学院生から被験者を募り,また,地域在住の高齢者向けの運動教室の参加者から同意を得られた被験者を対象にして,若年層・中高齢者層のコホートデータを取得した。測定項目は,①血液検査,②体組成,③MRIおよびMRS,④動脈硬化指標,血圧,心電図検査,⑤筋力,⑥柔軟性,⑦最大酸素摂取量,⑧踵骨超音波速度,⑨栄養調査,⑩日常生活身体活動量,⑪ロコモティブシンドロームチェックであった。
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