研究課題
骨格筋の収縮・代謝特性が、高エネルギーリン酸含有レベルにどのような影響を受けるのか、ラットを使って追求した。筋中高エネルギーリン酸含有量は、クレアチンまたはそのアナログであるbeta-guanidinopropionic acid (beta-GPA) の経口投与によって調節し、麻酔下での大腿部坐骨神経を介した右ヒラメ筋または左長指伸筋のin situ電気刺激に対する収縮特性と炭水化物および脂質代謝を追求した。その結果、特に長指伸筋で顕著であったが、ヒラメ筋にもbeta-GPA投与に伴う更なる遅筋化が見られた。また、5分間のtrain stimulation (10 Hz)直後の筋で分析した結果、コントロール食ラットでは顕著な乳酸の増加とクエン酸の減少が見られた。しかし、beta-GPA投与群ではマイナーであり、炭水化物代謝の抑制と脂質代謝の亢進が示唆された。また、ミトコンドリア酵素の活性化も誘発されており、収縮特性のみならず、ミトコンドリアにおける脂質代謝に改善が起こることが明らかとなった。日常生活における筋の収縮活動レベルは減少しているにも関わらず、長期間のクレアチン枯渇による筋の有酸素能が改善されることを示すもので、基礎科学分野のみならず、運動トレーニング分野においても有意義な示唆を与えてくれるものと思われる。しかし、一時注目されていたクレアチン投与に対しては、顕著な効果は認められなかった。
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すべて 雑誌論文 (12件) (うち国際共著 3件、 査読あり 12件、 オープンアクセス 12件、 謝辞記載あり 12件) 学会発表 (13件) (うち国際学会 7件、 招待講演 4件)
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