気管支喘息は近年世界的に有病率が増加傾向にある。その一因として、近年の衛生環境の改善や抗生物質の多用による、腸内細菌叢の多様性の低下が指摘されている(衛生仮説)。本研究は腸内細菌叢が産生する短鎖脂肪酸が気管支喘息の病態修飾因子であるとの仮説を基に、気管平滑筋における短鎖脂肪酸受容体の発現、短鎖脂肪酸による気管トーン調節機構、及び気道リモデリング制御機構を検討した。その結果、気管平滑筋における短鎖脂肪酸受容体FFAR3の発現が同定された。また短鎖脂肪酸自体は気道リモデリングを誘発しないものの、cAMP減少シグナルを介して気管平滑筋収縮を増強させることが明らかとなった。
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