研究課題/領域番号 |
26560385
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
渡邉 淳 日本医科大学, 医学部, 准教授 (10307952)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 遺伝リテラシー / 一般市民 / 中等教育 |
研究実績の概要 |
本研究では、一般市民への「ヒトの遺伝」リテラシー向上への課題を明確にし、有効なプログラムを立案し、効果が上昇し実現可能となる教育手法、教材開発についても検討する。平成26年度(1年目)は、一般市民や患者、教育者にとり、「ヒトの遺伝」リテラシーにどのようなニーズを感じているかを調査し、向上するための、向上できない課題を明らかにする。課題を基にプログラム案の設定について考察した。 1)「ヒトの遺伝」の必要性を関連各分野で調査・評価し、「ヒトの遺伝」リテラシーの現状、問題点、上昇を妨げる要因を把握(同定)した。一般市民、患者、医療職、中学・高校担当教員(生物や倫理など)各数名ずつからインタビューを行い「ヒトの遺伝」の知識の必要性を感じたケース、項目を抽出し、問題点・課題を抽出する。一般国民の遺伝リテラシー(認知度)には幅を認めていた。教員からのフィードバックに関しては、教員とのjoint meeting やワークショップといった、集中的に議論する場を複数回設けた。 2) 欧米と本邦の臨床遺伝教育カリキュラムとの調査、比較した。中等・高等教育の「ヒトの遺伝」教育項目について本邦と欧米での教科書等のカリキュラム、記載内容を比較検討する。相違点を明確にするため、米国人類遺伝学会で毎年教員に向けて開催されているワークショップに参加した。 3)「ヒトの遺伝」リテラシー向上プログラムを立案した。1)、2)で明確化された課題を通し、本邦における「ヒトの遺伝」リテラシー向上プログラムの一般目標(goal)と個別到達目標を設定にし、プログラム案の骨子を作成する。本調査研究で得られた成果は積極的に国内の学会(人類遺伝学会、遺伝カウンセリング学会)などで発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度に提示した目標項目については、着手をすることが出来ている。次年度に行う内容も着手する一方で、全体への調査は未着手であり、来年度検討を行う。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究は以下の2つが骨子となる。 1)「ヒトの遺伝」リテラシーが向上する教材を作成、開発する 1年目に作成したプログラム案に沿った教材の内容・題材を選択する。 2)プログラム内容を国民に周知し、フィードバックを受ける(アウトリーチ)機会を設ける。 26年度に引き続き、関連学会や教育現場と連携して遂行に努める。
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次年度使用額が生じた理由 |
全体での会合を中心に行い、調査研究を実施しなかったため
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次年度使用額の使用計画 |
調査研究を実施する予定である
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