研究課題
コレステロール生合成系の律速段階であるHMGCRのKOにより逆に骨格筋中の遊離コレステロールが増加している。細胞内の遊離コレステロールの増加は細胞毒性を来たすことがあることが既に報告されている。これが骨格筋の細胞障害の原因である可能性が考えられた。このため,次に細胞内にコレステロールを取り込むLDL受容体(LDLR)の全身KOマウスとdKOマウスをかけあわせ,LDLRおよびHMGCRのダブルKOマウスを作成した.このマウスの骨格筋ではコレステロール合成ができず、しかも、細胞内へのコレステロール流入ができないマウスになっている八図である。しかし,驚くべきことにこのダブルKOマウスにおいても通常のmKOマウスやdKOマウスと同様に骨格筋中の遊離コレステロールが高かった。このダブルKOマウスでは内因性のHMGCRによるコレステロール合成およびLDLRを介した外因性のコレステロール取り込みが阻害されているにも関わらず,対象群と比して逆にKO群で遊離コレステロールが上昇していることは,コレステロールのLDLR以外を介した外因性の取り込みや細胞内部での輸送・消費経路に障害があることが推測された.
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Biochem Biophys Res Commun.
巻: 455 ページ: 536-540
10.1016/j.bbrc.2015.09.065
http://www.u-tsukuba-endocrinology.jp/
http://wpi-iiis.tsukuba.ac.jp/japanese/