研究課題
前年度の進捗と研究推進可能性の実務的考察に基づき、DNA切断活性のある3xFLAG-Cas9-NLSを一過性に発現させ熱産生遺伝子Ucp1もしくはAdrb1の遠隔にある活性化エンハンサー領域を欠失させる細胞を樹立してproof of conceptの実験を行うことを優先する推進方策をとった。CRISPR-CAS9の系で、β1アドレナリン受容体 (Adrb1) の遠隔エンハンサー領域 (-44kb) を欠失させることを目的に、この領域で核内受容体型転写因子PPARγが結合する部位を挟むようにガイドRNAを作製し、2つの異なるガイドRNAをCRISPR-CAS9に組み込んだ発現ベクターを不死化褐色脂肪細胞にトランスフェクションを行った。細胞のソーティングを行い、シングルクローンを選び出した。父方母方の2つのアレルがともに欠失しているクローン5個を約100個のシングルクローンスクリーニングから得ることに成功した。これに先立ち、不死化脂肪細胞はシングルクローン化し、脂質染色で一様に染まる分化度の良いクローンを選んで上記のプロセスを施行した。結果、遠隔のエンハンサー領域を欠失した褐色脂肪細胞はAdrb1のβアドレナリン(βAR)刺激に伴う遺伝子発現が減少し、我々がNat Commun (2015) 6, 7052に報告したβAR刺激依存的にAdrb1領域のクロマチンの高次構造変化により急速に転写が制御されることを証明した。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 4件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 5件、 謝辞記載あり 5件) 学会発表 (17件) (うち国際学会 5件、 招待講演 8件) 備考 (1件)
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http://www.mm.rcast.u-tokyo.ac.jp/publications/pubs.html