眼底は,身体内で唯一非侵襲的に直接観察可能な動脈・血管を含んでいる.本研究では,簡便に眼底の血管や血流を記録して,血管の硬化を判定する手法を探索した.スマートフォンを用いる最も簡易な解析は困難であることが分かった.一方,レーザースペックル血流計を用いて眼底血管を撮影し,血流波形を解析したところ,加齢に伴い血流波形が変化することが示された.また,動脈硬化の標準的な指標である頸動脈内膜中膜複合体厚との相関関係も観察された.これらのことから,眼底の血流を記録することによって,加齢に伴う血管の硬化が判定できる可能性が示唆された.
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