胎仔創傷治癒機構(FWH)から成獣創傷治癒機構へ移行して発現が著明に低下する心臓線維芽細胞の遺伝子を網羅的に解析した。その結果Has2,Tm,Mmpの瘢痕を抑制する遺伝子,Pax,Foxo,Hoxの形態形成に関わる遺伝子が検出された。Pax遺伝子はヒストンH3のメチル化を認め,他はプロモーター領域のDNAメチル化により発現が低下した。各遺伝子を心筋壊死組織に導入すると当初Hoxのみが抗線維化を認めた。しかし最終的にはHoxを含めた全遺伝子が瘢痕を形成した。従ってFWHには更なる遺伝子がマスター遺伝子として制御する可能性,複数の遺伝子の相互作用による制御機構等が考えられた。
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