昨年度は骨格筋、血管内皮、骨細胞のそれぞれで特異的にメカノセンサー分子Casの発現を欠失する遺伝子マウスを作製し、耐糖能・インスリン抵抗性を評価した。これらのCas cKOマウスに糖代謝異常を呈するものがあることが分かった。 そこで、今年度は骨格筋、血管内皮、骨細胞におけるCasの発現及びリン酸化を免疫染色にて検討した。研究代表者のグループでは、Casの免疫染色に関してはこれまで培養細胞でのみ行ってきたので、まず、マウス組織におけるCasの染色法の最適化を行った。その結果、 骨細胞におけるCasの発現は荷重負荷の影響を受けることがわかった。骨格筋組織では間質の細胞にCasリン酸化が認められた。われわれのプロジェクトでは、血管内皮特異的と考えてきたCreマウス(Tie2-Creマウス)は血管内皮特異的な遺伝子改変の作製には適さないことがわかった。
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