研究課題/領域番号 |
26560415
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
高橋 英之 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (30535084)
|
研究分担者 |
三船 恒裕 高知工科大学, 経営学部, 講師 (00708050)
守田 知代 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 講師 (60543402)
森口 佑介 上越教育大学, 学校教育研究科(研究院), 准教授 (80546581)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | 超自然的存在 / イマジナリーコンパニオン / fMRI |
研究実績の概要 |
本研究では,かみさまのような超自然的存在を子どもがどのように意識してふるまうようになるのかを認知科学的手法により明らかにすることを目的とする.特に脳機能計測に適用可能な課題を新しく作成することにより,fMRIを用いて超自然的存在を知覚している際の脳機能評価も行うことを計画した.平成27年度は,前年度に開発した宗教儀式を模した実験課題に基づき,成人被験者と子供の被験者を対象とした心理実験,fMRI実験を実施した.具体的には,集団のリズム同調がパレイドリア錯覚を増強するという現象に注目し,この現象が起こる背後の心理的,神経基盤について検討を進めた.また子供でも同様の現象が起こることを突き止めた.現在は得られた知見にもとづき,超自然的存在を感じる感覚の背後にある心理,神経基盤の発達過程についての考察を進めている.また我々は,幼児が超自然的行為者をいかに表象しているのか、ヒトと比べて特別な点はあるのかを検討した.具体的には、3歳から6歳の幼児が、超自然的行為者やヒトなどに、認知的な特性(例、計画する)や情動的特性(例、怖がる)を付与するかを調べた.その結果,幼児は、ヒトに対しては認知的特性も情動的特性も付与したのに対して、超自然的行為者には認知的特性のみを付与した.この結果は成人の参加者の先行研究と一致しており、幼児期において成人と同様の超自然的行為者概念を持っていることが示唆された.これらの結果は,超自然的存在を知覚するようになる子どもの発達機序に一定の光を当てるものである.
|