研究課題/領域番号 |
26560420
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研究機関 | 専修大学 |
研究代表者 |
齋藤 実 専修大学, 経営学部, 准教授 (50322433)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | コンタクトスポーツ / テキストマイニング / 剣道 |
研究実績の概要 |
研究の準備として、テキストマイニングの分析を実施するためのソフトウェアを購入し、セットアップおよびソフトウェアをのトライアルを行った。その後、分析のための資料を得るために、中学校、高等学校スポーツ系部活動指導者に対して、自由記述式のアンケート調査を実施した。質問は、「自分の指導種目のイメージ」、「自分が指導している種目の教育効果」、「剣道のイメージ」、「剣道の教育効果」の4つとし、それぞれについて自由記述にて一定時間内に回答記入してもらい、その場で質問紙を回収した。回収した質問紙をテキストデータ化し、ソフトウェアを用いて分析を行った。 分析の結果、コンタクトスポーツと非コンタクトスポーツ、個人種目と団体種目といった属性によって、抽出されたワードに大きな違いあることが認められた。特に、剣道を抽出した場合、剣道は個人種目ではあるものの、剣道以外の個人種目の単語頻度とは全く異なっており、剣道は他の種目とは異なる固有性を持つと指導者は考えている傾向が認められた。またその固有性としては、礼儀、礼といった「作法」や、マナー、規律といった「秩序」に関する単語が挙げられた。その一方、コミュニケーション能力や協調性、仲間といった「社会性」に関する単語はみることができなかった。 本研究で用いたテキストマイニングによる分析結果によって、テキストデータ中に含まれる特徴語や属性間の対応関係を理解するためのヒントを得ることが可能であることが示唆された。本研究の成果は、学会にて発表を行った。次年度からの対象の範囲と数を増やし分析を進めることによって、よりコンタクトスポーツの固有性の抽出に近づくことができると考えられよう。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究では、テキストマイニングの手法を用いて、テキスト化された質問紙の回答およびインタビューを分析する計画である。研究機関の序盤において、テキストマイニングのためのソフトウェアの選定およびセットアップを行い、事前のトライアルを繰り返し、検証を進めることできた。ただし、一連の作業において時間を要してしまい、研究の進行が滞ってしまった。その後、スポーツの指導者に対して質問紙による調査を実施し、得られた回答のテキスト化、続けて分析を行い、一定の成果を上げることができた。しかし、インタビューの調査はラグビー指導者6名にとどまり、レスリング、柔道、相撲の指導者に対してインタビューを行うことができなかった。遅れている内容については、平成27年度において実施する計画である。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画のうち、対象を国外のスポーツ指導者、スポーツ実践者に広げたい。このことにより、国内と国外のコンタクトスポーツに対する意識の違いを明らかにすることが可能となる。すでに、国外の協力者に依頼を済ませており、複数のチームや指導者に対する横断的な調査を進めるとともに、縦断的な調査を開始できるように手続きを進める計画である。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究で予定したインタビュー調査が、当初予定していたところから変更され、居住地に近いところで実施された。またインタビューの実施も予定回数を実施できなかったため、旅費の使用額が予定よりも減額した。また、人件費と謝金についても、回数が少なかったこと、また無料にて調査ができたこともあり、減額した。
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次年度使用額の使用計画 |
平成27年度においては、複数のチームにおいて縦断的な研究が開始されることから、26年度に使用しなかった予算が使用される見込みである。また、海外において調査を実施する計画があり、旅費の使用が見込まれている。
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