平成26年度~27年度において、質問紙の作成にあたり予備調査として自由記述にて回答を得られる4項目のスポーツのイメージと教育効果に関する質問からなる質問紙を作成し、99名のスポーツ指導者から回答を得た。その回答をテキストデータ化し、Text Mining Studio(NTT数理システム社製)を用いてテキストマイニングによる分析を行った。その分析結果から、スポーツのイメージと教育効果として、「スポーツマンシップ」、「攻撃性」、「レジリエンス」、「プライド」、「社会的技能」、「同情(痛み)」、「情動的共感」が挙げられたことから、この結果を元にそれぞれを心理学的に評価することのできる既存の質問紙を選定し、調査時に対象の負担とならない数の範囲にて、アスリートへの質問として適していると考えられる質問項目を抜粋した。抜粋した質問項目は43問であった。 平成28年度~29年度においては作成した質問紙を用いて、高校生、大学生のアスリートを主に対象とした調査を行い、コンタクトスポーツと非コンタクトスポーツ、接触有りスポーツの3グループに分けて分析を行った。分析は二元配置分散分析を用いて行った。調査実施に際し、調査の目的とデータの分析方法を対象者に説明し承諾を得た。なお,本研究は専修大学スポーツ研究所研究倫理委員会の承認を得た。 大学アスリートを対象とした本研究の結果からは、コンタクトスポーツにおいて同情(痛み)や情動的共感の心理面に与える影響は見ることはできなかった。一方で、「攻撃性」が非コンタクトスポーツよりも高い傾向にあったことは、注目すべき点といえるだろう。
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