研究課題/領域番号 |
26560424
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
嶋田 容子 同志社大学, 心理学研究科, 学振特別研究員(RPD) (60422903)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 乳幼児 / 音声 / 私的発話 |
研究実績の概要 |
生後5ヶ月~18ヶ月児を対象として、独言の縦断観察を開始した。まず、生後5ヶ月の乳児を対象に、自宅での縦断的な記録を開始した。その後、9ヶ月・14ヶ月・18ヶ月と依頼を予定している。各協力家庭に高性能マイク付きの小型ビデオカメラを約一週間預け、可能な限りすべての独言を記録するよう依頼した。サンプル採用の要件は、少なくとも3分程度持続・泣きやぐずりに至らず自然に収束する・対象児のリーチングの範囲に人がおらず、一切の応答がないこととした。補足的な情報を得るため、養育者に独言発生の前後の状況を記述するよう依頼した。縦断観察は現在続行中である。 分析では、音声およびビデオ映像をELAN(4.1.1)上で記述し、発声にともなう探索(物体および身体へのリーチング・把握・接近)・音楽的行動(運動と発声のリズム、音声のメロディー等)・他者や物体への志向(一定の対象物や人への注視やはたらきかけ)等、随伴する行動を記述した。分類項目そのものをデータ収集の過程で改良しつつ、現在も分析を進めている。予備的な成果は、日本赤ちゃん学会シンポジウム等で発表した。 また、自閉症スペクトラム児の発声について、発達障害アセスメントに定期的に参加することで予備的観察をおこなった。さらに、3歳~7歳の自閉症スペクトラム児6人を対象として、家庭に依頼して独言の記録を実施した。これまでに、自己制御機能に類する独言が観察されたほか、定型発達児ではあまり指摘されてこなかった、動作に関連する反復的な発声をおこなっている可能性が示唆された。今後はさらに音声分析・行動分析を進め、自閉症スペクトラム児における独言の機能の存在を探る。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の計画通り、生後5ヶ月児からの観察データを収集したほか、次年度に予定していた自閉症スペクトラム幼児の研究がデータ収集に至ったことで、観察データの収集は計画以上に順調に進んだ。また、独言の生起頻度・質的内容に保育環境が関わっている可能性が予想されたため、保育環境評価スケールによる環境評価を導入することとし、その方実施準備を進めた。しかし、実験研究には保育施設での実施に関して問題があり、予備調査にとどまっている。また、一身上の都合により渡航ができず、海外での発表・議論に至らなかった。
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今後の研究の推進方策 |
実験実施に向け、あらたなの実施先候補として幼稚園・認定こども園等に協力を要請する。計画していた通り私立保育園での実施が可能になれば、予定通りに保育園で本実験をおこなう。また、引き続きこれまでの収集データを分析し、学会での成果発表および国内外学術誌への発表をおこなう。
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次年度使用額が生じた理由 |
年度途中の妊娠により計画していた学会出張等が不可能になったため。計画を変更して早めにデータ収集・分析を進め、一定の額を協力謝金に当てた。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度(平成27年度)は研究中断中のため、平成28年度の学会出張などの旅費にあてる。
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