研究課題/領域番号 |
26560433
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
上野 隆史 東京工業大学, 生命理工学研究科, 教授 (70332179)
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研究分担者 |
鈴木 崇之 東京工業大学, 生命理工学研究科, 准教授 (60612760)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 蛋白質 / 生体材料 / ナノバイオ / バイオテクノロジー / 分子機械 |
研究実績の概要 |
本研究では、個体サンプルとして取り扱いが容易で、遺伝子解析が詳細に進められているショウジョウバエを用い、(1) ハエへの取り込みに特化した蛋白質複合体を分子テンプレートとして、蛋白質工学、生物無機化学、構造生物学的手法の融合により推進してきた。 特に、本年は、ショウジョウバエの取り込みに特化した蛋白質針分子の設計に特化し、バクテリオファージT4の蛋白質から蛋白質工学的に構築した針状蛋白質が、熱的、pH、有機溶媒に対し高い安定性をもつことを既に報告しており、この蛋白質針を基盤に分子設計を進める。ショウジョウバエへ送り込む為には、(1)効率よいハエへの取り込みと標的器官への局在化能、さらに(2)一つの針にCO放出能と、局在化ペプチド提示等、複数の機能を提示できる分子設計が必要となる。(1)に関してはこれまで報告した蛋白質針の安定性で十分対応できると考えられ、アミノ酸置換を行う他にも、蛋白質針表面の電荷を制御するために、表面のリシン、アスパラギン酸、グルタミン酸を化学修飾した。(2)に関してはN, C末端へシステインや、シグナルペプチドを導入し、化学修飾部位や金属結合部位を構築した。さらに、これらの針が、幼虫のeye diskへ集積することを明らかとした。さらに、ケージ型蛋白質の集積も観察し、様々な機能分子の刺激をハエ幼虫のeyediskに与える影響の評価系を確立した。以上より、分子輸送のシステムの確立を達成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
化学修飾部位や金属結合部位を構築した分子針が幼虫のeye diskへ集積することを明らかとしただけではなく、ケージ型蛋白質の集積も観察し、様々な機能分子の刺激をハエ幼虫のeyediskに与える影響の評価系を確立した。
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今後の研究の推進方策 |
蛍光ラベルした蛋白質針を培地中の器官と反応させ、共焦点顕微鏡でその局在を定量的に追跡する。特にCOを担持した蛋白質複合体がeyediskの神経の成長に与える影響を追跡する。
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