様々な生命現象の発現・制御に重要な役割を果たしている硫化水素の生体内局在を観察する手法が強く求められているものの、微量かつ短寿命の硫化水素を生体内で高感度に、しかも、定量的かつリアルタイムで検出することは未だに容易ではない。これに対して本研究では、生物発光基質であるセレンテラジン類の硫化水素による変換を利用した検出を目指し、アジド基を有する新規セレンテラジン類の開発のための各種検討を行った。具体的には、(1)v-セレンテラジン類の簡便合成法の開発、(2)多置換ピラジン類の自在合成法の開発、(3)アジド基とヘテロ元素求核種との反応性に関する検討を行った。
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