Hes1は細胞分化に重要な転写抑制因子である。Hes1を変調する化合物D8Cを化合物ライブラリーから発見。D8C類縁体176個を合成し、JI051と名づけた化合物がD8Cよりも5倍強い活性を持つことを見いだした。解析によると、JI051はHes1のコリプレッサーTLE1の制御因子であるBit1をミトコンドリアから放出させ、Hes1とTLE1を核外へ追い出すことが分かった。標的決定を行ったところ、ミトコンドリアタンパク質であるProhibitin 2が標的であることが示唆された。JI051はProhibitin 2に結合してHes1を核外へ追い出すことで、Hes1を阻害していると考えられる。
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