研究実績の概要 |
我々はコリバクチン前駆体の化学構造を推定した。推定した化合物を合成するにあたり3 つの部分A part, B partおよびC partに分け合成する。既にA partおよびC partは合成を完了し、B partの合成および各partの連結実験を残すのみとなっている。 有機合成で得られた上記化合物を出発基質としてコリバクチンを酵素的に合成する。炭素骨格の生合成は生合成遺伝子クラスター内にコードされた脂肪酸合成酵素、ペプチド合成酵素およびそれらのハイブリッド酵素によって生合成される。コリバクチン中間体はそれらの生合成産物として単離されている。そこでこれらの炭素骨格の生合成に関与する酵素遺伝子および転写因子と予想される遺伝子を除いたコリバクチン修飾酵素の遺伝子(clbA, D, E, F, G, L, M, Q)を発現させそれぞれの精製酵素を得た。これらと出発基質とをin vitro反応させることでコリバクチンへと変換することを試みる。我々は既に合計8個のこういった酵素遺伝子を大腸菌宿主系で発現させ、精製酵素を大量に獲得している。従って、本実験では複数の発現酵素を同時に加え、生成物の化学構造から酵素反応の順番を決定する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
基質前駆体の合成をほぼ完了し、精製酵素を用いたin vitro系の合成実験を行うために必要となる修飾酵素の遺伝子(clbA, D, E, F, G, L, M, Q)の発現に成功しているため。
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