研究課題
近年チャネルロドプシン等の光感受性機能分子が応用され、神経回路の研究に大きく寄与するようになってきた。光感受性機能分子の光活性化にはレーザーのピンポイント照射、面照射・多点照射などがある。特に脳深部の細胞単位またはシナプスレベルでの局所の光活性化にはピンポイント照射による必要がある。そこで本研究では光感受性機能分子をピンポイントで励起するための光刺激装置を開発した。特に本研究では最近開発されたタンタル酸ニオブ酸カリウム(KTN)結晶を使用した高速XYスキャナー(KTNスキャナー)を用いて高速で刺激用レーザー光をXY移動制御可能な光刺激装置の開発を行なった。光刺激用レーザーとしてフェムト秒超短パルスレーザーChameleon Vision II(コヒーレントジャパン)を用い、KTNスキャナーには(NTTアドバンストテクノロジ)を用い、サンプルとして蛍光分子fluoresceinを用い、XYスキャンにより二光子励起による蛍光を観察した。その結果、KTNスキャナーを用いた世界初の多光子光刺激装置の開発に成功した。光刺激の際の光照射位置のXY移動が従来技術であるガルバノスキャナーによる方法より10倍以上高速化された。本研究成果は光操作技術を進歩させるもので、光を利用する脳科学や自然科学が飛躍的な前進が今後期待される。またレーザー技術は生物分野以外にレーザー加工機など工業分野、マイクロマシンや医療分野への利用が考えられ、今後幅広い分野への応用が期待される。
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Cell Death Differ
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