研究実績の概要 |
ショウジョウバエをモデル動物として睡眠と記憶の遺伝学的解析を進めている。 新規睡眠関連遺伝子についての報告(Tomita et al., PLoS One, in press)をするとともに、CRISPR/Cas9の利用により加齢性記憶障害の解析を行った(Yamazaki et al., Neuron, 2014)。さらに、これまでに解析を進めてきたドーパミントランスポーターによる睡眠制御については、ドーパミントランスポーターがvolume transmissionを制御することで、睡眠覚醒を制御していることを明らかにした(Ueno & Kume, Frontiers in Behavioral Neuroscience, 2014, ショウジョウバエを用いた睡眠の基礎研究, 上野太郎, 粂和彦, 日本薬理学雑誌, 2015)。現在、他の新規睡眠関連遺伝子の解析を進めており、論文投稿準備中である。 さらに、CRISPR/Cas9を用いたゲノム編集技術を導入し、ショウジョウバエをモデル動物として睡眠関連遺伝子の探索を進めている。これまでは外注で作成していたトランスジェニックハエを、自前でembryoへのプラスミドインジェクションによりトランスジェニックラインを作成できるようになった。これにより多数の遺伝子に対するgRNAを発現するトランスジェニックラインを迅速かつ安価に利用することができるようになり、今後の研究を推進する予定である。
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