無意識的な顔認知は、非言語性コミュニケーションの基盤である。健常人を対象に、サブリミナル(sub)刺激とオンセット両眼視野闘争(ON-BR)時の脳磁場反応を計測した。Subでは刺激を左右の視野に極く短時間(16 ms)呈示したが、有意な活動変化は認めなかった。ON-BRでは、顔と物体(サル)での知覚交代時に右の紡錘状回顔領域(FFA)の反応に差がみられ、ヒトの顔に対する反応(M170)が家やサルに比して減弱しないことが分かった。つまり、視野闘争が起こり、顔の見えが意識に上がるときには、FFAが活動することにより意識に上がることが分かった。以上、無意識的顔認知の時間的流れの一端が解明できた。
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