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2015 年度 実施状況報告書

アレッポの戦災状況調査と戦災復興都市計画原案の策定

研究課題

研究課題/領域番号 26570003
研究機関筑波大学

研究代表者

松原 康介  筑波大学, システム情報系, 准教授 (00548084)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード中東都市多層ベースマップシステム / アレッポ / ハマ / ベイルート / 戦災復興計画 / 国際協力 / 国際研究者交流 / シリア支援
研究実績の概要

1.研究の目的  本研究は、シリア第二の都市アレッポを対象に、将来の戦災復興都市計画の実行を見据えた、市街地の戦災状況調査を実施する。

2.27年度の研究実施計画  再度別メンバーで招聘研修を行い情報と課題を共有する。蓄積された空間情報に基づき上記分析の視点①(アレッポ研究)、②(日本の経験研究)から並行して調査を進め、都市レベルでの戦災状況の把握を目指す。日本センターを通じ、アレッポ大学建築学部等、将来のカウンターパート候補の検討を行う。

3.27年度の研究実績の概要  ダマスカスより、元県庁の建築士で当該JICAプロジェクトのCPであったマイスーン・サワン氏を招聘した。同氏は28年度より大学院修士課程1年に進学し、ハマーの戦災復興史を研究する。これによりアレッポ大学日本センター及びダマスカス県庁という二大CPから協力者を迎え、当初計画通りの体制を整えた。これ自体、シリア支援が議論されるわが国において重要な意味がある。
また、中東都市多層ベースマップシステムを通じて、①戦災市街地の領域を確定し、旧市街についてはアレッポより提供された写真分析とヒアリングから、直接爆撃によるとみられる建造物破壊の状況を確認した。9月にアルカゼイ氏と共にベイルート調査を行い復興史研究を進めた。また、②仙台・七ヶ浜の視察を行い日本の復興経験と位置づけた。これらの成果は支援団体サダーカ主催の報告会で、学識者、JICA関係者らと共有した。更に、本研究の兆戦は、将来SATREPSのような大型案件に接続することであるが、本学北アフリカ研究センターでモロッコの緑地開発をテーマとするSATREPS(代表:礒田博子教授)が採択され、代表者もメンバーとなった。将来の案件提案に活かすことを念頭に独自研究を進めたい。なお本研究の成果によって、日本都市計画学会論文賞、国際都市計画史学会東アジア都市計画史賞を受賞した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

アレッポ及びダマスカスのCPから重要な協力者を大学院生として迎えた。これによりシリア全体の戦災状況を独自に入手できる体制を整えた。その他、学識経験者からJICA、民間支援団体までネットワークを構築し、SATREPSでも代表者独自の関心に基づく研究をモロッコで行うことができた。モロッコでは、都市内市場(スーク)の流通経路について研究する計画であるが、日本が進める「緑のモロッコ計画」、及び、モロッコで経験された震災復興計画についても独自に研究を進めることで、将来案件への経験としたいと考えている。そしてアレッポの戦災状況については、当初予定通り、中東都市多層ベースマップシステムにより、戦災地の特定、戦災(破壊)の種類、歴史的位置づけを展望し、また復旧の大まかな見通しについてベイルート等の先行事例研究を進めた。

今後の研究の推進方策

研究体制の確立を受けて、今後はよりアレッポ及びシリア全体の情報収集を推進する。具体的には、シリア側の民間支援団体と協力し、現地での体系的な写真撮影を実行する。撮影の対象として、まずアレッポの市域を旧市街、フランス植民地時代建設の新市街、及びその他の郊外地区等の形で分類する。市域の治安状況は、各勢力がモザイク状に占拠しているものの、通勤・通学等の日常生活はなんとか続けられており、一般のシリア人が問題なく安全に入れる箇所も多くある。そこで、許可を得た上で、モスクやマドラサ(神学校)、ハンマーム(公衆浴場)等の歴史建築、スーク等の界隈、公共施設や一般住宅地等を撮影する。撮影はGPS機能付きのデジカメにより行い、全ての写真にジオタグ(緯度経度情報)を埋め込む。

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2016 2015 その他

すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件) 備考 (5件)

  • [国際共同研究] アレッポ大学日本センター/ダマスカス県庁/フランス近東センター(IFPO)(シリア)

    • 国名
      シリア
    • 外国機関名
      アレッポ大学日本センター/ダマスカス県庁/フランス近東センター(IFPO)
    • 他の機関数
      2
  • [国際共同研究] 中東研究日本センター/フランス近東センター(IFPO)(レバノン)

    • 国名
      レバノン
    • 外国機関名
      中東研究日本センター/フランス近東センター(IFPO)
  • [国際共同研究] Lumiere Lyon 2, GREMMO UMR 5291(フランス)

    • 国名
      フランス
    • 外国機関名
      Lumiere Lyon 2, GREMMO UMR 5291
  • [雑誌論文] Gyoji Banshoya (1930-1998): a Japanese planner devoted to historic cities in the Middle East and North Africa2015

    • 著者名/発表者名
      Kosuke Matsubara
    • 雑誌名

      Planning Perspectives

      巻: Online ページ: 1-30

    • DOI

      10.1080/02665433.2015.1073610

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] The genealogy of Haussmannisation in the historic city of Aleppo -A case study of the overseas deployment of French urbanism2016

    • 著者名/発表者名
      Kosuke Matsubara
    • 学会等名
      International Policy Forum on Urban Growth and Conservation
    • 発表場所
      Teheran, Iran
    • 年月日
      2016-02-17 – 2016-02-17
    • 国際学会
  • [学会発表] The genealogy of Haussmannisation in the historic city of Aleppo -A case study of the overseas deployment of French urbanism2015

    • 著者名/発表者名
      Kosuke Matsubara
    • 学会等名
      5th Meeting of the Project "Human Mobility and Multi-ethnic Coexistence in Middle Eastern Urban Societies (2),
    • 発表場所
      ILCAA, Tokyo
    • 年月日
      2015-10-03 – 2015-10-03
    • 国際学会
  • [備考] 中東都市多層ベースマップシステム

    • URL

      http://asp.netmap.jp/mebasemap/index.html

  • [備考] 日本都市計画学会論文賞 受賞者リスト

    • URL

      http://www.cpij.or.jp/com/prize/award/list.html

  • [備考] 国際都市計画史学会東アジア都市計画史賞 受賞者リスト

    • URL

      https://planninghistory.org/awards/east-asia-planning-history-prize/

  • [備考] 筑波大学 松原研究者情報

    • URL

      http://www.trios.tsukuba.ac.jp/researcher/0000000877

  • [備考] 筑波大学 都市文化共生計画研究室

    • URL

      http://infoshako.sk.tsukuba.ac.jp/~matsub/index.html

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公開日: 2017-01-06  

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