研究実績の概要 |
本研究では、研究事例が少なく、今まで感染地域以外では軽視されてきたスナノミ症(tungiasis, tunga dermatitis, tungose)について、対象地域の全住民を対象とした広域の特性把握と、介入研究を基にした対象地域における感染撲滅への有効な予防策を明らかにすることを目的とする。広域を対象とした既往研究もほぼ見られないため、この感染症の特徴は科学的に調査されておらず、また、大規模な介入調査が実施されたことも皆無である。本研究では、対象地域の全家屋を訪問することで、住民一人ひとりの感染度合いを調査するとともに、感染者の一斉治療を行い、地域ごとの介入研究を実施する。 対象地は、研究事例が皆無でスナノミ症が社会問題となっているアフリカ・ケニアのクワレ地区とし、1)対象地域のスナノミ症感染の実態把握、2)対象地域の住民の生活習慣の把握、3)自然環境との関係について把握し、これらの結果を基に、4)介入調査を実施することで、感染撲滅に繋げていく。 平成27年度は、以下の作業を行った。1)対象地における全住民に対し、戸別訪問調査を実施し、2)スナノミ感染症の有無、3)スナノミ感染症に関する知識、4)スナノミ感染症の罹患歴、5)住民の生活習慣の把握、6)自然環境とスナノミ感染の関係調査、7)介入調査、の7項目について調査した。
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