研究課題/領域番号 |
26570014
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
草郷 孝好 関西大学, 社会学部, 教授 (30308077)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 地元学 / 内発的発展 / 地域活性化 / アクション・リサーチ / ブータン |
研究実績の概要 |
平成26年度は、ブータン研究者との協働型アクション・リサーチを展開していくために必要な準備作業を着実に進めることに力を注ぐことが出来た。地元学の専門家の知見を得て、ブータン農村における地元学実施のための準備を行った。2014年8月、ブータンに渡航し、ブータンにおける地元学導入によるアクション・リサーチの実施について、協働パートナーの選定、調査農村の選定、地元学のパイロット調査実施のための事前協議を行った。その結果、まず、アクション・リサーチを進める協働パートナーとして、ブータンにおいてコミュニティマッピングを展開するNPOであるBCMD(Bhutan Centre for Media and Democracy: ブータンメディア・民主主義センター)を選定した。パイロット調査実施対象地域については、Kabjisa村(首都ティンプー市から、車でおよそ1時間)を選定した。Kabjisa村を訪問し、同村における中等学校を訪問、パイロット調査への協力を依頼し、了承を受けた。帰国後、パイロット調査の実施にむけて、BCMDとは、頻繁に意見交換を進め、パイロット調査の実現に向けての作業を進めた。その結果、2015年4月下旬から5月にかけて、ブータンのKabjisa村において、パイロット調査を実施することとなった。 本年度は、地元学とコミュニティ・マッピングについての文献調査を行い、それらのデータをもとにして、2014年8月、ブータンにおいて、地元学と地域開発モデルについてのセミナーをBCMDと共同で開催した。セミナーには、上院議員を含む40名の参加者を得ることができ、ブータンにおける農村活性化の必要性と地元学手法への関心を高めることと意見交換することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の研究計画通り、平成26年度中に、地元学導入によるパイロット・アクションリサーチ実施を計画し、実施準備を順調に進めることができた。そして、アクション・リサーチを2015年3月に実施を検討したが、3月は、調査実施予定のKabjisa村と同村のKuzhugchen Schoolの協力を得ることが難しい時期であることが判明した。そのため、ブータンにおけるフィールド・アクションリサーチの実施を1ヶ月ずらして、2015年4月下旬から5月上旬にかけて実施する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
ブータンの農村地域における地元学手法を用いた地域活性化手法の有効性について、パイロットプロジェクト参加者(ブータンの学生グループと村人)の視点で検討する。また、日本発の地元学手法が国外においても活用いするかどうかについても検討する。内発的な地域活性化の必要性と地域実践・パイロットプロジェクトをテーマに国際学会において研究発表を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
2015年3月に実施を計画していたブータンのKabjisa村における地元学応用のコミュニティ・マッピング調査を2015年4月下旬から5月初旬に変更したため、次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
(1)2015年4月下旬から2015年5月上旬にかけて、ブータンに渡航し、フィールドワークを実施するための海外調査費に使用する。 (2)2015年11月上旬に南アフリカで開催されるALARA(アクション学習とアクション・リサーチ国際学会)にて、研究発表を行う計画である。 (3)2016年度内に、ブータンにて2回目のフィールドワークを実施する計画である。
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