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第1 の目的は、フィールド調査と文献資料調査により近世から現代における村の歴史を自然環境・自然資源利用の歴史、それに生業の歴史との関係性を含めて明らかにし、人間側の歴史と生物側の歴史とを統一する方法をあみ出し、農村景観に存在する自然資源利用の歴史的な特質と変遷を、実証的、具体的に明らかにすることにある。第2の目的として地域の人びとが創造してきた自然資源を持続的に利用する身の丈にあった技術と知恵の存在と、なぜ現在まで継続・継承さてきたのかを具体的な事例にそって明らかにし、持続的な自然資源利用を考える上で必要なことは何なのかを提示することにある。小櫃川上流地域だけではなく、生態的な環境が異なる、房総半島の海岸部および、小櫃川下流地域まで調査範囲を広げ、生業携帯の多様な地域性は、どのような要因で生じるのか調査・研究した。千葉県内の生態的な環境や生業が異なる地域として，海の生業と山との関係性を明らかにするための木更津市と鴨川市天津小湊でフィールド調査をおこなった。海岸沿岸のマテバシイ林は明治のはじめから植林され、さば節などを生産するために利用されただけでなく、のり養殖においても，マテバシイ林が様々な用途で利用されてきたことが明かになった。小櫃川上流の千葉県君津市の蔵玉・折木沢と比較するため、小櫃川下流の更津市中郷地区周辺および袖ケ浦市坂富周辺で現地調査を行った。小櫃川下流地域でも、土地の高低差によって、江戸時代から水争いが頻繁におこってきた。わずかに土地が髙いため、「水路状の水田」を作り上げてきた。また小櫃川上流とは異なる、複雑な灌漑システムを作り上げてきたことがわかってきた。
いずれの生業も，東京という大市場の存在がかかせない。１つの生業の歴史を明らかにするのではなく，様々な生業が，山と海を利用しながら江戸，東京とどのような歴史的な関係性と変遷をたどってきたのかを明らかにした。
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