本研究は、小規模な生業活動の特性を活かし、社会的弱者層を在地ビジネスの主要なアクターと捉え、いまだ有効な切り口の見えない貧困削減への突破口を探ろうとするものである。 ベトナム中部フエ市近郊にて、地域住民とともに、野生鶏と飼養鶏との交配種つくり、ミニブタ在来種の飼養を通じての系統保全と生計維持、ホロホロ鳥の繁殖技術の確立、アカシア造林地での養蜂など新規の在地生業を形成した。野生鶏交配種の飼養と在来ミニブタ飼養は、新たな地域ビジネスとして萌芽し始めている。養蜂活動では、収穫されたハチミツをペットボトルに小分けしてフエ市で予約販売し、その収益の一部を貧困地区の学習支援活動に充てる活動へと展開した。
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