津波被災地である岩手県沿岸部の一地点を定点として、被災者の生活実情を調査し、それに基づいた減災方策を検討した。被災者の経済格差は復興の要因となるだけでなく、「新たな分断」が派生すること、中堅世代は生活復興のため職業中心の生活を送り、そのことが地域の諸活動への参加を難しくしていること、男性より女性の方が新たな生活に向かいやすいこと、「分断」を乗り越えるためにはさまざまなイベントや小集団による活動が有効であることが参与観察、アンケート調査を通して分かった。地域の教会がフィリピンの女性たちの仲間作りの役を果たすなど、「分断」だけではなく「共同」も生み出されていることが分かった。
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