研究課題/領域番号 |
26570020
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
中塚 幹也 岡山大学, 保健学研究科, 教授 (40273990)
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研究分担者 |
関 明穂 岡山大学, 保健学研究科, 客員研究員 (20314685)
新井 富士美 岡山大学, 大学病院, 医員 (50347986)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 性同一性障害 / 学校 / 子ども / 支援 |
研究実績の概要 |
全国の教員を対象として,性同一性障害に関する知識,学校の中の性同一性障害の子どもの存在の認識,その対応の実態,生徒への教育への意識,学校で「多様な性のあり方」に関する授業等を行うために必要と考える資料や,医療スタッフなどの専門家や当事者に求めることなどについて調査した. 全国各地で,性同一性障害に関する授業を行うことを希望する教員を対象にインタビュー調査を行った.性同一性障害に関する知識を持ち,生徒に対応,情報提供することのできる教員の育成のための研修会を各地で行った.また,文部科学省における人権教育担当指導主事連絡協議会においても講演を行った.また,文部科学省が作成した「性同一性障害や性的指向・性自認に係る、児童生徒に対するきめ細かな対応等の実施について(教職員向け)周知資料」の作成に協力した. 全国の教員に対するアンケート調査結果や性同一性障害に関する専門家や性同一性障害当事者からの助言などを参考とし,教員が効果的に生徒に性同一性障害に関する情報を提供するためのテキストを作成,DVD作成の企画を完成させた.性同一性障害に関して効果的に生徒に情報を提供するために行う「モデル授業」のシナリオを作成した. 教員が実践的な授業を行うため,教員を支援する講師やサポーターを確保するため,専門家,当事者,その家族などによる人材バンクをリスト化した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
全国の教員に対するアンケート調査を修了し,結果や性同一性障害に関する専門家や性同一性障害当事者からの助言などを参考とし,教員が効果的に生徒に性同一性障害に関する情報を提供するためのテキストを作成,DVD作成の企画を完成させた.性同一性障害に関して効果的に生徒に情報を提供するために行う「モデル授業」のシナリオを作成した. 教員が実践的な授業を行うため,教員を支援する講師やサポーターを確保するため,専門家,当事者,その家族などによる人材バンクをリスト化した.
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今後の研究の推進方策 |
2015年度に作製した教材を使用して,性同一性障害に関するモデル授業を協力の得られる学校において試行する.この時,授業のみを評価するのではなく,それを行うまでの過程についても評価する. モデル授業を受けた児童や生徒の性同一性障害に関する理解度,意識の変化などを調査する.また,教員が感じた授業展開における問題点,講師として参加した専門家や当事者が感じた問題点などを調査する.これらを参考に内容を改善する.テキストやDVDなどの教材を改善し,何種類かのモデル授業を完成する.全国に展開するため,テキストやDVDなどの教材の配付,各地で,専門家や性同一性障害当事者である講師と学校(養護教諭)とマッチングするなど,実現性のあるシステムを構築する.また,各地の教育委員会や,養護教諭の団体などへ啓発し,モデル教材・授業の普及を行う.
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次年度使用額が生じた理由 |
研究分担者のうちの1名が,2016年3月19日,20日に東京で開催されたGID(性同一性障害)学会に参加し,情報収集を行う予定であったが,急遽,参加できなくなったため,経費の残余が生じた.
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次年度使用額の使用計画 |
2016年度中の関連学会にて,引き続き,情報提供や研究成果の報告を行う予定であるため,そのための旅費などに使用する計画である.
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