研究課題/領域番号 |
26570024
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研究機関 | 摂南大学 |
研究代表者 |
後藤 和子 摂南大学, 経済学部, 教授 (00302505)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 文化観光 / 文化観光の経済効果 / 観光統計 / 文化サテライト勘定 / ミュージアムのデジタル化と観光 / シティ・ブランディングと観光 / クリエイティブ産業と観光 / 旅行・観光サテライト勘定 |
研究実績の概要 |
文化観光の研究は、日本では、まだ緒についたばかりである。先行研究としては、『文化経済学』(2009年3月)に、垣内恵美子・奥山忠裕「文化観光の経済効果-岐阜県高山市伝統的建造物群保存地区の事例」があるが、その他の研究は事例等の記述的な紹介が主である。そのため、初年度である本年は、海外及び国内の文献研究を行うとともに、国際学会等での情報収集や、国内および海外の文化観光の実態について視察を行うとともに、研究者等から専門的知見の提供を受けた。 具体的には、『文化政策の経済学』(後藤和子・阪本崇監訳)の著者であるスロスビーのツーリズムに関する分析から多くの示唆を得た。また、11月に奈良で開催された第13回Global forum on tourism statistics に参加し、観光統計の国際的な水準や課題、ビッグデータや位置情報を使った観光行動の分析について知ることができた。 国際文化経済学会(モントリオール)や、国際文化政策学会(ヒルデスハイム)にも参加し、文化サテライト勘定や旅行・観光サテライト勘定、文化観光研究の水準を知ることができた。また、2015年3月には、ロッテルダム市とアムステルダム市を訪問し、シティ・ブランディングと観光、ミュージアムのデジタル化と観光、という2つの観点から、それぞれ、ロッテルダム市職員や研究者から専門的知見の提供を受け、国立博物館等の視察を行った。 国内では、オランダや中国との交易・交流の歴史を生かした文化観光に取り組んでいる長崎市を訪問し、離島の観光振興を担当している県職員にヒアリングを行うとともに、シーボルト記念館や出島等の現状の視察を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2014年4月に所属大学が変わったことに加え、日本国内における先行研究が少ないこともあって情報収集にやや時間がかかった。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、本研究課題に沿って、より一層の文献研究を進めるとともに、海外調査や国内調査等にも取り組み、研究の遂行に努めたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
2014年4月に所属大学が変わり、研究の立ち上げに時間を要したこと、また、科研費基盤Cの研究費も継続していたために、そちらを優先的に使用した。
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次年度使用額の使用計画 |
2015年度は、スペインのビルバオやイタリア等の海外調査やワークショップへの参加に研究費を使用し、海外における文化観光の調査を行うとともに、研究者等から文化観光の理論や研究の現状について専門的知見の提供を受ける予定である。
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備考 |
摂南大学の研究について、産官学連携等のシーズとなる研究を紹介した大学のホームページに掲載されている。
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