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2014 年度 実施状況報告書

「登山権取引市場」の創設による登山者管理と世界遺産保全の経済効果に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 26570025
研究機関京都大学

研究代表者

栗山 浩一  京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (50261334)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード環境経済学 / 観光経済学 / 登山 / 富士山 / 世界遺産 / 経済的手段
研究実績の概要

富士山が世界文化遺産に指定されたことにより,富士山への登山者急増による遭難リスク対策が重要な課題となっている。そこで登山者に対する入山料導入が今年の夏に試験的に実施され,来年から本格的に導入されることが決定した。本研究の目的は,「登山権取引制度」の効果を経済実験により分析することで,遭難リスクを低減するとともに世界遺産の価値を高めるための効果的な登山者管理制度を明らかにすることにある。
本年度の研究内容は以下のとおりである。第一に,登山利用による遭難リスクと地域経済の現状について情報収集を行った。富士山における登山利用と遭難リスク対策の状況や,地元の観光業の経済状況について情報収集を行った。第二に,登山権取引制度に関連する取引制度について調査を行った。関連する制度としては,温暖化などの排出権取引制度,釣りを対象とした漁業ライセンス制度,ハンティングを対象としたハンティングライセンス制度などがあり,海外では多数の実証研究が存在した。第三に,登山権取引制度の理論モデルについて検討を行った。排出権取引制度で用いられている経済理論をもとに,登山権取引制度の理論モデルを構築し,登山権取引制度の経済効率性を他の登山者管理対策と比較した。第四に,予備的な経済実験とアンケート調査を実施した。少人数を対象に予備的な経済実験を実施し,被験者の行動を観測した。また登山者を対象にアンケート調査を実施し,調査票の問題点について確認を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究計画では,登山利用の現状把握と予備的な調査を計画していたが,いずれも予定通りに実行された。

今後の研究の推進方策

今後は,登山権取引制度に関するデータを収集し,新たな制度を導入したときの経済効果について政策シミュレーション分析を実施する予定である。

次年度使用額が生じた理由

当初は現地調査で旅費を使用する予定であったが,現地調査を翌年度に実施することになったため旅費の使用を延期した。物品費については,統計分析に必要なコンピュータを購入する予定であったが,統計分析は翌年度に実施するため購入を延期した。

次年度使用額の使用計画

統計分析で用いるコンピュータおよび統計ソフトウェアで物品費を使用する。現地調査を実施するため旅費を使用する。経済実験およびアンケート調査に人件費を使用する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] 環境の価値はどうやって測ればいいのでしょうか2015

    • 著者名/発表者名
      栗山浩一
    • 雑誌名

      経済セミナー

      巻: 未定 ページ: 未定

  • [雑誌論文] 生物多様性とビジネス2014

    • 著者名/発表者名
      栗山浩一
    • 雑誌名

      農業と経済

      巻: 80(9) ページ: 26-37

  • [雑誌論文] 森林の多面的価値をどう測るか2014

    • 著者名/発表者名
      栗山浩一
    • 雑誌名

      農業と経済

      巻: 89(4) ページ: 39-48

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公開日: 2016-05-27  

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