研究課題/領域番号 |
26570025
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
栗山 浩一 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (50261334)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 富士山 / 世界遺産 / 入山料 / 環境経済学 / 登山 |
研究実績の概要 |
富士山が2013年に世界文化遺産に指定されたことにより,富士山への登山者による遭難リスク対策が重要な課題となっている。そこで登山者に対する入山料導入が2013年の夏に試験的に実施され,2014年から本格的に導入された。しかし,当初の予想に反して徴収率が半分程度にとどまっており,制度の見直しが求められている。そこで,入山料が登山者に及ぼす影響を定量的に分析するとともに,新たな制度として「登山権取引制度」の効果を分析した。 入山料の影響については,1000円の場合で登山者抑制効果は4%程度であり,抑制効果が非常に弱いことが明らかとなった。この原因としては,富士山には全国から登山者が集まっており,登山者の支払う旅費は平均で2万円を超えているため,1000円の入山料では登山を取りやめる人は少ないことが想定される。 一方,新たな制度として登山権取引制度の影響を分析した。これは,登山権の購入者のみが登山を許可される仕組みであり,登山権の発行数で確実に登山者数を抑制することが可能である。また,登山権を市場で売買することで,登山者の需要に応じて料金が決まるため,登山者の集中する週末やお盆休み期間は価格が上昇し,ピーク時期以外への利用のシフトが自動的に促される。登山権取引制度の影響を理論モデルにより分析するとともに,登山権の発行数と登山権価格の関係を定量的に分析した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究計画では平成27年度に経済実験を実施する予定であったが,地元自治体にて制度の見直しが検討されたため,当該年度中の経済実験実施が困難となった。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画では平成27年度に経済実験を実施する予定であったが,地元自治体にて制度の見直しが検討されたため,当該年度中の経済実験実施が困難となった。その後,当面は現行制度を延長することが決まったため,平成28年度に経済実験を再開することが可能となった。そこで,研究計画に従い平成28年度に経済実験を実施する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究計画では平成27年度に経済実験を実施する予定であったが,地元自治体にて制度の見直しが検討されたため,当該年度中の経済実験実施が困難となった。
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次年度使用額の使用計画 |
地元自治体にて制度の見直しが検討されたため,当該年度中の経済実験実施が困難となったが,当面は現行制度を延長することが決まったため,平成28年度に経済実験を再開することが可能となった。そこで,研究計画に従い平成28年度に経済実験を実施する予定である。
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