前年度中に、中心的な部分であるご当地キャラクターの属性としてのパーソナリティ・イメージとご当地ブランド価値との関係分析が終了したので、今年度の前半は、これまでの分析結果に関する論文執筆と学会報告を行った。 今年度の後半は、11月に以下のような内容のWeb調査を実施した。すなわち、これまでの調査と同様に認知度の高い18体のキャラクターの21のパーソナリティ・イメージ測定尺度、ブランド価値測定尺度(電通プロジェクト(2009)『地域ブランドマネジメント』の評定尺度による)、ブランド資産測定尺度(同書による)、キャラクターに対する好意的態度尺度、ご当地に対する態度尺度(ご当地産品の購買、訪問、居住意図)など対するアンケート調査である。 この調査データをもとに、当初の計画を拡張して、ご当地ブランド資源(消費者が知覚しているご当地の観光資源)をモデルに追加して、ブランド価値の説明力を増加させるモデルの分析と、研究目的に書かれていたパーソナリティ・イメージとブランド価値の間に、キャラクターに対する態度変数を媒介させるモデルの分析を行った。 前者に関しては、これまでと同じパーソナリティ・イメージ5変数に加えて、ブランド資産6変数を追加することで、ブランド価値に対する説明力がR2乗値で0.45から0.9程度に増加することが分かり、ブランド資産の説明力強さと、若干ではあるがキャラクターのブランド価値への貢献があることが改めて確認された。後者に関しては、キャラクターに対する好意的な態度が有意にブランド価値に作用することが分かったが、態度の媒介の有無でモデルのフィットネスは大きく変化しないことも分かった。しかし、媒介させた方が有意なパスの数が増える効果があり、キャラクターに対する好意的な態度を経由してご当地ブランド価値に正の影響を与えるという当初の想定がある程度正しいことが確認された。
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