本研究の目的は、近年、固有の一言語としての地位を獲得しつつある手話言語の概念的および論理的特性を、哲学的な観点から明らかにすることであり、また、それによって、これまでの哲学的論議に、新たな方向性を見いだすことである。すなわち、手話言語は、手、表情、その他の身体を使って表現される特有の言語であり、この特有性のゆえに、概念的および論理的な諸表現において、一般の音声言語とは根本的に異なった、特有の形態をとりうる。本研究は、その特有の形態を、とりわけ、哲学的な観点から取り出し、考察を加えるとともに、その特有性に基づいて開かれうる、新たな哲学的な論議の展開を試みる。
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