本研究課題では、14世紀のボン教徒テトゥン・ギェルツェンペルの作成した宗義書Bon sgo gsal byedの、アビダルマに関する箇所を精読し、ボン教アビダルマの根本テキストであるSrid pa’i mdzod phugの11章(十二処)の全文を精読した。加えて、10章(五蘊)のうち、色蘊、受蘊、想蘊の節を精読した。結果、仏教とボン教の五蘊や十二処と比較考察した。結果結果、ボン教の五蘊説および十二処が、ヴァスバンドゥ著『五蘊論』や『倶舎論』、アサンガ著『大乗阿毘達磨集論』など、仏教思想から大きな影響を受けていることが判明した。これらの成果は、国内外の学会で発表し、英文論文として公表した。
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