本研究課題では、北部九州の英彦山・朝鮮半島南部の智異山という日韓を代表する山岳宗教聖地の調査研究を通して、聖地観・神観念・宗教的実践の比較考察を行った。具体的には、①日韓山岳聖地の現地調査に基づく聖地構成要素(窟・泉・岩・塔・寺院・廟・祠など)の把握、②日韓山岳宗教に関する文献・図像資料に基づく山岳宗教の歴史的変遷の考察、③日韓山岳周辺地域における現地調査による山岳宗教の民俗的意義の考察、である。この比較研究によって、日韓双方の山岳宗教の歴史、およびその実態を相対的に思考する視座を得ることができたと考える。
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