研究課題/領域番号 |
26580013
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
林 晋 京都大学, 文学研究科, 教授 (40156443)
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研究分担者 |
福谷 茂 京都大学, 文学研究科, 教授 (30144306)
上原 麻有子 京都大学, 文学研究科, 教授 (40465373)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 京都学派アーカイブ新バージョン / 西田幾多郎旧宅の保全活動 |
研究実績の概要 |
2年計画の最終年度である27年度は、26年度に計画を立てたように、京都学派の思想家たちに関する史料を保有する史料館などを訪問して、その保全活動と史料の保有状況を記録した。具体的に訪問先をあげると、西田幾多郎史料については、学習院文書館と鎌倉の寸心荘、石川県西田幾多郎記念哲学館、金沢市の金沢偉人館、そして、京大吉田南総合図書館、中井正一史料について、京大文書館、広島県竹原市立図書館、田辺元史料については京大総合博物館である。また、京大文学研究科日本哲学史専修では、下村寅太郎が保有していた数千に及ぶ田辺元宛の書簡を含む、下村文書の予備的調査を行った。 そして、これらの調査と、26年度以前に調査を行った谷川徹三関連の史料や、田辺元関連の史料を合わせ、京都学派アーカイブの新バージョンの作成を行った。これの新バージョンは、現在のアーカイブがPCでの利用を前提としているのに比べ、スマートフォンやタブレットでのアクセスにも対応している。また、史料の存在の連絡のための投稿の仕組み、京都学派の哲学者たちの内、20数名の顔写真を動的に表示するトップページの仕組み、上記の史料調査の結果と、その調査活動を紹介する「史料をたずねて」というコーナーなど、現在のものを大幅に拡張、改善したものとなってる。 この様な研究活動を続けている中、偶然にも、西田幾多郎とその家族が11年間を過ごした旧宅(借家)がマンション建設のために取り壊されることとなり、その所有者の御親族より、一部保全への協力の依頼が舞い込んだ。これは全くの予定外のことであっが調査する内、この旧宅の時代の西田の人生と哲学に対する重要性が判明し、建築の専門家、西田幾多郎哲学館の学芸員の方などの協力を得て、これの保全活動をおこなった。この活動は現在も進行中であり、旧宅の所有者のプライバシーの問題が解決した時点で公表予定である。
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備考 |
本研究で構築した新アーカイブであり、骨格部分は完成しているものの、著作権とプライバシーの問題、主にプライバシーの問題のために、公開は今夏を予定している。
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