研究課題/領域番号 |
26580015
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研究機関 | 石川県立看護大学 |
研究代表者 |
浅見 洋 石川県立看護大学, 看護学部, 教授 (00132598)
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研究分担者 |
志村 恵 金沢大学, 歴史言語文化学系, 教授 (50206223)
谷山 洋三 東北大学, 文学研究科, 准教授 (10368376)
彦 聖美 金城大学, 看護学部, 教授 (80531912)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 医療と宗教 / 魂のケア / ゼールゾルゲ / 看取り |
研究実績の概要 |
平成26年度から3年間をかけてSeelsorgeの歴史的成立、展開に関する基本文献をほぼ収集し、思想史的考察を行う基盤を整えることができた。 また、平成26年度に2回、平成27年度に5回の計7回の「死生観とケア」公開研究会を開催した。平成26年4月の第1回公開研究では併用可能な民間研究助成を得て、ドイツ語圏で最も有力なプロテスタントの Seelsorge の一人、Kerstin Lammer 教授(フライブルクプロテスタント専門大学教授)を招 聘し、石川、宮城両県内で計4回の講演会を設けた。対象は両県内で 終末期ケア、スピリチュアルケア、グリーフケアに関心を持つ宗教学者、臨床哲学研究者、医療者、福祉関係者等であり、講演概要は日本語翻訳し聴講者に配布した。同年11月にはがん闘病記の研究者である門林道子(日本女子大学社会学部研究員)を招いて講演会を実施した。平成27年度には「ヨーロッパにおける看取りの諸相」と題して5回開催し、イタリア、フランス、スウェーデン、イギリス、ドイツの医療、福祉現場における宗教ケアについて造詣の深い若手研究者による公開講演会を実施した。 さらに、ドイツでの海外調査として、平成26年度はフライブルクとライプチヒの実践神学者を訪問した。平成27年度9月にはNPO法人パストラル教育センターが企画した「スピリチュアルケア研修心と魂のケアとホスピス研修ドイツ旅行』」に参加し、医療福祉施設でのSeelsorgerの活動を具体的に視察する機会を得た。 上記の平成26、27年に実施した研究と視察によってドイツ語圏の医療・福祉におけるゼールゾルゲの臨床における活動実態とその基盤となる思想の全体像に触れることができ、幾つかの論文公表ができた。ただし、Seelsorgeの歴史的展開と現在に関するより体系的な理解とその日本への受容可能性についての研究は今後に待たねばならない。
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